イラストクリエーターnagisaによる 作品紹介を中心としたブログです。
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イラストクリエーターnagisaとして水彩画を描いています。

絵の具はWinsor&Newtonのチューブ状透明水彩、紙はArchesの300g荒目を使っています。

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最近、時間に余裕が出来たのでツタヤディスカスという郵送で届くネットレンタルDVDを利用している。店頭に行っても見たいDVDは所謂ミニシアター系なので無い事が多く、このシステムは便利この上ない。


一時期、映画館に通いつめた期間があり、予告編で面白そうな映画をチェックしたり、近日公開のチラシを持ち帰りコレクションもしていた。それが大体10年前くらいの話だろうか。
昨夜見たペドロ・アルモドバル監督1998年作品「オール・アバウト・マイ・マザー」もチェックしておいた映画のひとつではあったが見逃した映画のひとつでもある。



なぜ見逃したのか?映画を見始めて5分、納得した。

母と息子の物語で、その当時の私にとって必要でないストーリーだったからだ。
映画は娯楽で見るよりも人生を豊かにするためのアイテムとして考えており、人生について少し悩んだ時にその悩みに見合うテーマを持った映画を見るようにしている。現在も映画を選ぶ際はそのような基準を持って映画館へ足を運んでいる。

今、親子愛を知りたい気分ではないにもかかわらず「オール・アバウト・マイ・マザー」を選んでしまった。数ある見たい映画の候補の中から自主的に選ぶ事に少し食傷気味だったのかもしれない。ちなみにツタヤディスカスは50音順でリストアップされる。つまり初めの文字が「オ」だったがためにセレクトしたようなものだ。


そんな、あまり乗り気でない気分のままとりあえず見る事にした。

説明の少ないストーリー展開。あ、っという間に息子が亡くなる。しかも交通事故!さらに脳死状態での心臓ドナー登録によって淡々と進む完全な死。人が死ぬことによって話が転換する物語は好きでない。

息子の死によって母親は住んでいた土地を離れ、昔馴染みのいる土地に身を寄せ、一気に物語が加速する。ペドロ・アルモドバルが世の中に見せたかった1998年のスペインの現実。見た目を変えてまで売春を生業とする人、痴呆老人、妊娠しさらにHIV感染した聖職者、同性愛者の舞台女優、その女優と恋仲で薬物中毒の若い女優、そして息子が亡くなった事を告げるため絶縁した男を捜しに来た母親=マヌエラ。よくもここまで幸薄い人生を集めたものだを感心した。


マヌエラが息子を失った悲しみを乗り越えよう、より良く生きようとすればするほど、それらの人々を求心していく。特筆したいのはマヌエラが借りた何も無いアパートの一室が徐々に生活の息遣いを感じる空間へと変わっていく流れだ。人が美しい光を発するにはその人が住まう空間も魅力を発するものなのだろうか。そんな気持ちにさせる部屋だ。

物語は淡々と進み、それぞれの展開を得る。
しかしそれは詳細に語るものでなく、私達の人生の流れそのものの味気ない展開である。だからこそ小さな決意やさりげない気遣いが美しい。人はひとりでは生きていけないのだと強く感じた。


結末は大団円とは言えないがハッピーエンドだと言い切れる。
親子愛も含めた多様な愛によって行われる優しさを声高でなく示している映画でした。
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